天狗、UFO、セーラー服(続編で登場)が跋扈する圧巻のSFホラー!

タイトルだけ見た時に「戦争ものかな」と思ってしまったのですが、全然違ったのです。
京都を舞台に未確認飛行物体や天狗、山伏の影が見え隠れし、日常にするりと入り込み、いつの間にかすぐそばに迫っている……そんなゾクゾクする上質なSFホラーでした!

主人公の波太は京都の実家に帰省中。そこで幼馴染でもある従妹に会い、将来を有望視されながら失踪した叔父さんに思いを馳せつつ、時折空を飛んでいくUFO(作中ではネオ)を眺めたりします。
もう、この段階で、既に事態は進行しているのです。聞こえていますか?京都。

平凡な日常を送っていた波太が、既に非日常に足を踏み入れていたと気付くとき、決定的な運命の影が彼に襲い掛かります。どうぞその顛末をお見届けください。

この作品には続編があり、そちらを読まなければ表題の「セーラー服」は登場しませんので、あしからず。
無論、読むべきだと、激烈に後押しします。
本作と続編は表裏の関係にあり、本作で「一般の人の目から見た日常」が書かれているとしたら、続編で書かれているのは「日常の裏にある真実」です。
謎の失踪を遂げた叔父さんが、そちらではセーラー服美少女と一緒に大活躍。
前作で運命の影に襲われた波太も、彼らと一緒に新たな展開を迎えます。

私はこの叔父さんみたいな人が好みなので(熱く暗く強く優しい=カッコイイ!)、こちらが本編だと勝手に思っています。ぜひ読んで、そして、山伏と天狗の真実に迫ってみてください。
大きな世界的真実の一端を垣間見せてもらうような壮大さ。胸アツです。

続編『焼けた空から降り来たるⅡ』
https://kakuyomu.jp/works/16817330652148819623

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