ライトだけどシリアス、クドくないけどパンチのきいた転生ものです!

タイトルを見たときは、流行りの転生モノと言いましょうか、力を得た主人公が、切った張ったの大活躍する話を想像して読み始めました。

はじめに言ってしまうと、違わないけど違うんです!(力説)

主人公は確かに強いです。
ですが、「他の人が束になっても敵わない脅威相手に、最後に出てきて単独でワンパン解決」、みたいなのはほぼありません。
ちゃんとステップを踏み、前後の流れを汲んだ展開が描かれます。なので流れに説得感があります。
そもそも人格のイニシアチブは転生先>転生元なので、その点においても異世界転生系のテンプレと一線を画してます。

世界観や魔法の設定等、見るべき箇所は多々ありますが、個人的には転生者の扱いが抜群です。
転生者は魔力が強い等メリットもあるんですけど、ある種の悲しい業も、途中から背負っていくことになります。
転生者として生まれたことに、明確に向き合いながら生きていく感じになるのですが、そこがある種の悲壮感というか、物語のシリアスを深みを持たせてます。

そんな主人公に寄り添うヒロインがお二人。
ラブ分多めの優秀な幼馴染、純真で健気な小動物系ヒロインのダブル体制です。
二人とも主人公に並び立とうと、とにかく頑張ります。
作中はキャラの心情部分にも多分にスポットが当てられるので、その愛情や献身がすごく伝わってきます。

設定や舞台背景の説明が丁寧なのもグッドです。
「その件について、こういうパターンはどうなるの?」みたいな読んでて出てくる疑問にも、ちゃんと対応が書かれているので、展開につっかえずに読み進められます。
その上でクドくなく、過不足なく描かれているので情景に深みが増しています。シリアスながらも軽快さも感じさせる物語とマッチしてますね。

少し歯応えのある異世界ファンタジーをお探しの方には、是非ともお読み頂きたい作品です。

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