愛の行方

※ネタバレ注意。


 創作に関わる女性の多くは、学生時代、二人のうちのどちらかに該当していたのではないだろうか? とふと想いました。
 そしてわたしにも、わたしに想いを寄せてくれる少女がいたことを想い出すのです。

 澄乃の「あなたが好き」は、あなたのことが好きな私が好きだということ。
「あなたが好き」なのか、「あなたのことが好きな私が好き」なのか。

 レイネのことを愛するあなたのことが好き

 この愛に到達するまで、澄乃はこれからも何度も見苦しい振る舞いを重ねて涙を流す必要があるのでしょう。
 今はまだ「私を認めて欲しい」と願っているだけです。
 人を大切に想うということは、「尊くて、優しくて、可愛らしい」その沢井さんが大切に愛しているレイネになり切って愛されるために登場しようなどとは露とも考えぬものなのです。

 題名に「深窓」がついていることが興味深いです。深窓とは、このお話の真相。

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