己が見えるものを描き、己の心にある「本心」で作品を見る。

 皆さんは、印象派の画家クロード・モネをご存じでしょうか。
 モネを知らなくても、きっと『睡蓮』という作品なら見たことがある方も多いと思います。
 フランスの画家モネは、1874年から自身が亡くなるまで自然をモチーフにした、光あふれるような作品を描いた人です。当作品では、モネと親交があった日本人が登場。彼らはモネのアトリエに赴き、何気ない会話をします。
 その会話のなかには、「創作する側」と「創作したもの見る側」それぞれの良い態度、というものが示されているように思います。

「印象派の人々が当時どういうことをしていたのか」「モネはどういう生涯を歩んだのか」ということを知っていた方が、この作品を深く理解することができるでしょう。
 しかし、それが分からなくても、きっと作者さんが作品に込めた「創作をする人たちへ向けた応援メッセージ」は感じ取れるのではないかなと思います。

 文章から感じられるゆったりとした雰囲気と、モネを含めた主な登場人物たちが魅力的な作品です。気になった方は読んでみてはいかがでしょうか。

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