皆さんは、印象派の画家クロード・モネをご存じでしょうか。
モネを知らなくても、きっと『睡蓮』という作品なら見たことがある方も多いと思います。
フランスの画家モネは、1874年から自身が亡くなるまで自然をモチーフにした、光あふれるような作品を描いた人です。当作品では、モネと親交があった日本人が登場。彼らはモネのアトリエに赴き、何気ない会話をします。
その会話のなかには、「創作する側」と「創作したもの見る側」それぞれの良い態度、というものが示されているように思います。
「印象派の人々が当時どういうことをしていたのか」「モネはどういう生涯を歩んだのか」ということを知っていた方が、この作品を深く理解することができるでしょう。
しかし、それが分からなくても、きっと作者さんが作品に込めた「創作をする人たちへ向けた応援メッセージ」は感じ取れるのではないかなと思います。
文章から感じられるゆったりとした雰囲気と、モネを含めた主な登場人物たちが魅力的な作品です。気になった方は読んでみてはいかがでしょうか。
これは、連作「睡蓮」を代表作とする巨匠クロード・モネと、美術に携わる若者ユキオとの束の間の交流を切り取った、実話をもとにした物語です。
光の画家として知られるモネは生前から高く評価を受けた画家のひとり。
友人画家のセザンヌをして“モネはひとつの眼だ。絵描き始まって以来の非凡なる眼だ”と言わしめるほど、彼は物事を捉える力、とりわけ色彩を捉える力に秀でていたと言われています。
そんな彼の晩年を描いたのが、本作です。
美術を志す年若き青年・ユキオは、老いゆくモネの眼の異変に気がつきます。
小さな勇気を振り絞り、ユキオが起こした行動とは?
それに対するクロード・モネの答えとは?
たしかな筆力で紡がれる、創作を愛するすべての人におくられた物語。
モネの言葉は、創作に携わる人だけではなく、今これからを生きる人すべての糧になるはずです。
ぜひ、作者さん、そしてモネからのメッセージをその目で確かめてみてください。
約七千字という短編のおはなしなのですが、この作品には非常に濃厚なドラマを感じました。
「私」こと主人公の矢代幸雄が松方幸次郎に連れられて、パリ郊外にあるモネ邸におもむきます。
クロード・モネといえばやはりかの有名な睡蓮の絵を連想するかと思います。
ここで出てくるモネは晩年の老人でありますが、しかしキャンヴァスに向かうことを続けています。
ここで「私」はとある違和感を抱きつつも、まだ駆け出し者の「私」が物申すには「勇気」が必要で……。
さて、このエピソードにたどり着くまでも様々な場面が描かれています。
八代と松方、モネ邸での三人。どの場面でも登場人物が生き生きとし、これは創作ではなく本当にあったエピソードのように感じます。そう、それぞれのキャラクター性がとても丁寧に描かれているのです。
この素敵なおはなしにぜひ、触れてみませんか……?