明治生まれのおじいちゃんと、昭和生まれの孫娘ちゃんの、当時大流行したぬいぐるみ、モンチッチをめぐるちょっと切ない物語です。黒歴史、ということでこの出来事が思い当たる作者様は、きっととても優しい方ではないかと想像します。この作品に込められた想いが天国に届きますように。そして天国からの想いが、作者様に届きますように。読み終わり、そんなことを思いました。
今ではほとんど見られないような景色に、切ない郷愁のにほひがする。傷付け、傷付き、胸にわだかまり続ける苦みこそが、優しさの種だったりする。傷を嫌う令和の世にあってこそ、忘れてはならない黒歴史。