「怒りは冷たい」ひりひりする痛みの小説

肥大した自意識に囚われ、どんどん現実から遊離していく主人公は『蹴りたい背中』を思い出しました。リズムよく進む展開の中に通底する冷たい怒り。
「これを着れば自分は素敵になる」服に対して魔法のように憧れながら、服に振り回されて、服に従っている。服と「わたし」の関係について鮮やかに撃ち抜いている作品でした。

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