本当の種族はアレ(読んでお確かめ下さい)だったヘビのセラプトが動きなどなど可愛いんです!セラプトが出てくる度にほわーんとなってました。
物語では主人公は供物にされたりと周囲から結構酷いことされてるんですが、彼がしっかり自らの境遇や感情を語るので不思議と暗くならない感じでした。展開もサクサク進んでいきます。
主人公と同じように供物にされた女の子も出てくるのですが、彼女はクセのある子で主人公も手を焼かされます。しかし彼女がそうするその理由がわかるだけに嫌いになれないキャラです。むしろ反応が可愛いなあ、と。
閉塞的な社会の独特の世界観やその社会を取り巻くもっと広い世界にわくわくしました。人々の暮らしの描写や情景の描写も素晴らしく、その光景を端から見ているようでした。読後感も良かったです。
皆様も是非是非この秀作をご一読下さい。
古い因習に縛られた集落、ククスに暮らす少年ケセド。罪人の子としてなにかと虐げられてきた彼は、ついに竜の供物に選ばれてしまいます。
そうして竜姫が棲むという岩場にたどりついたケセドでしたが、そこでひとりの言葉を話さない少女と出会うことに。
立場が変わればものの見方もガラリと変わる。差別、偏見、価値観の違い。
昨日までの自分、今日の自分、明日の自分。価値観には善悪も正解もなくて、だからこそ衝突するほどに苦悩する。相手が大切な存在であればなおさらです。
非常にシリアスな物語ですが、ケセドの相棒、ちいさな白ヘビ(?)のセラプトがまことにカワイイです。癒やしです。健気だし、頭いいし、なんなら演技までしちゃうし。
しかしここからどうハッピーエンドにもっていくんだろうと、終盤までわりと本気で心配になるくらいのシリアス展開でしたが、そこはさすがの竹神マジック。
それまでの鬱々しい暗雲がさっぱりすっきり払いのけられて、非常にさわやかな読後感に包まれます。
完結しましたので一気読みもできます。
ケセドの選択、伝説の行方、ぜひ見届けてください。
主人公のケセドは、竜姫への供物として生贄にされてしまうという不幸に見舞われます。
ですが、友だちの白ヘビや、竜姫が棲むという岩場で出会った少女、そしてその後に彼が出会う人々など、森の集落の人々とは違う人間と触れ合う事になって……
ファンタジックな設定ももちろん見所ですが、本作の登場人物たちは端役に至るまで人間味があって、私はそこが一番の魅力に感じました。
そんなキャラを描くのがお上手な作者様なので、もちろん主人公の人間味もすごく作りこまれています。なので、主人公は壁にぶつかることもあり、ハラハラもしますが「この主人公ならきっと切り抜ける!」という確信も持てて、安心して物語に没頭できました。
ちなみに、私のお気に入りキャラはセラプトです♪
主人公のケセドは因習により竜の供物として放置されます。
そこで出会ったのは不思議な髪色をした少女。
どうやら彼女も昔、供物として捧げられた人間でした。
相棒のアリシアヘビとともに、ケセドは生きるため、動き出すのですが……。
もうね……。
私、この作者さんの一人称が大好きなんですよ。
〝語り〟というのか……。主人公の内面を、ぐーっと掘り下げ、自分語りをさせるんですが、それがうまい!!
気づけばじっくり読み込んで、かつ、主人公の気持ちになっちゃうんですよね。
今回の主人公ケセド君。
彼も難しい生い立ちの上に、成育環境は複雑かつ最悪。
そんな中でも彼は大事な感情を失わずに生きている。したたかさも持ち、なにより大事な相棒(アリシアヘビのセラプト)がいる。
冒頭はかなり暗いですが……。
後半は最高、最上のハッピーエンド。
完結したいま、ぜひ読んでみてください!
※個人的には一気読みお勧め。