竜に捧げられる、供物の物語。

森の中にある集落に住み、罪人の子として酷い扱いを受けながら生きてきた、ケセド。
周りから蔑まれ、罵られながらも、仲良しの白ヘビ、セラプトと共に生きてきたけど、ある時彼の運命が動き出す。

実はこの村には、生きた人間を竜捧げる供物として差し出さなければならないという掟があって、ケセドがその供物に選ばれてしまったのです。

ただ竜の姿を見た人はいないのですよね。掟として定められているから、供物は捧げられていますけど、竜なんて本当にいるのか。
いるかどうか分からない竜のために誰かを犠牲にするなんて、馬鹿げている。これではケセドが可哀想。
読んでいて村の人達の勝手さに腹が立ち、苦しみ悲しむケセドに心を痛めました。
この作者様はこういう、心に刺さる書き方が上手です。

そして供物となったケセドは竜がいるとされる場所に向かいましたが、そこで出会ったのは竜ではなく……言葉を喋らない少女!?

意外な展開に驚かされました。しかしその少女と仲良くなり、いつまでも幸せにくらしましたなんて、ぬるい展開にはなりません。

ハラハラドキドキが満載の物語。
そしてケセドの相棒の白ヘビのセラプトが、最高に可愛いです!

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