俺は聖女様のセフレ騎士〜追放された聖女様に俺はどこまでも着いて行きます。もちろん夜のお供も♡聖女様は俺のものなので、国が滅びても知りませんから

水間ノボル@『序盤でボコられるクズ悪役貴

第1話 俺は聖女様のセフレ

「はぁはぁ……アルフォンス!もっとぉぉぉ!」


聖女様は大きく喘いだ。

漆黒の髪を乱しながら、俺の剣さばきで幸せそうによがっている。

おいおい……尊い聖女様、そんなにでかい声出したら、誰かに聞こえちゃうじゃないですか。

侍女たちが来たら、どうするおつもりで?


王宮にある聖女様の寝室。

本当なら、ここで聖女様と愛を交わすのは王太子殿下のはずだ。

だが、王太子殿下は聖女様と婚約しているにもかかわらず、愛人に熱を上げて、聖女様をシカトしている。

その隙間に、俺がハマり込んだわけだ。


「はぁはぁ……もう終わり?」

「そろそろ寝ませんと……明日も忙しいですから」

「そんなぁぁ……」


顔を赤くして惚ける聖女様は、もっとほしいと俺にせがむ。

我が麗しの聖女様の名は、アリア・ファルネーゼ。

平民から聖女になり、エドワード王太子殿下の婚約者になり、将来この国を治める立派なお方だ。


「今日は朝まで隣にいて。アルフォンスは私の騎士でしょう?」

「しかし……」


聖女様の仕事は過酷だ。超ブラックと言っていい。

1日12時間、王宮の地下にある「白銀の間」と呼ばれる部屋で、結界を張って魔物から国を守っている。

結界魔法は、使用者に苦痛を与えると言う。

ご本人の御言葉によれば、「生理の100倍お腹が痛くなる」らしい。男の俺にはわからんが、とにかくすごく痛いとのこと。


「わかりました。もう少しいますね」


俺は聖女様の髪を優しく撫でた。

聖女様は髪を撫でられるのが大好きだ。愛くるしい猫のように、腕に縋りついてきた。


「……この哀れな騎士に、お慈悲を賜りたく存じます」


お慈悲——お小遣いのことだ。

いつも寝た後には、聖女様は金貨をくれた。

話をでっち上げて、聖女様から金貨をいただく。


「またお慈悲ね……」


聖女はため息をついて、やれやれと呆れた顔をした。

裸で立ち上がり、小ぶりのお尻をぷるんと揺らしながら、宝箱から金貨を取ってきた。


「これで足りるでしょう」

「……私は王都の貧しい孤児たちに施しをするのです。金貨1枚ではとても足りません」


もちろん嘘だ。俺は施しなんてしない。そんなのは俺の柄じゃない。

もう少しで、王都で1番の美少女娼婦、ジュリアちゃんとヤレそうなんだ。

俺なら金を使わなくてもヤレないこともないが、どうせなら羽振りのいいところを見せたい。


俺は聖女様の背中から腋に手を入れ、柔らかい胸を揉む。

それから耳元で甘く囁いた。


「お願いだよ。アリア……恵まれない子どもたちを助けたいんだ」


アリア……2人きりでいる時は名前で呼ぶ。

背中を小さく震わせた。


「……今回だけね」


金貨3枚、俺の手に握らせた。


「約束して。このお金で娼婦を買ったりしないで」

「私は気高い騎士です。娼婦など目もくれません。聖女様一筋です」

「……本当?」

「本当ですよ」


俺は優しく微笑みかけた。


「信じてるからね。アルフォンスだけは……私を裏切らないで」


——この時はまだ知らなかった。

まさか聖女様が追放されるなんて……

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