『アナタは黒猫のクロ!』 僕を、懐かしいその名前で呼んでくれたのは……

 魔女・ノエルと黒猫・クロの出会いから、この物語は始まった。

 ヒロインの『魔女の相棒は黒猫って相場が決まっている……』の言葉に、行動を共にするようになった、黒猫・クロの視点で、物語が静かにゆっくりと流れていく。

 そんな、何の変哲もない黒猫と魔女のささやかな日常。やがてヒロインは人間の男に恋をする。
 しかし、その恋には障害が……。魔女と人間では刻の流れ方が違うのだ。

 そのことを危惧する、魔女の背中を優しく押してあげたのが、黒猫のクロで……。
 魔女の恋は叶うのか……? それまで一緒だったクロはどうなるのか……?

 突然訪れたお別れの後の物語が、さらに本当に優しくて……。この物語を読んだ皆さまも、きっと『よかった』って感じてくださることだと思う。
 読後に優しい余韻を残せる、この物語って素敵だ。