乱世の悲しみを鎮めんと戦う僧、見守る道士

戦乱が仏徒の悲しみを呼ぶのか、
仏徒が戦乱の世に巻き込まれたのか。

この作品に対して言えるのは、やるせなさです。誰が悪いのか。いや、「悪いこと」はしている。では、どうすれば避けられたのか。

このような時代でなかったら。

冒頭で出会う、仏徒と道士。ふたりは奉ずべきものにこそ差異を感じていますが、等しく現世における悲劇、悲劇が招く怨念を背負っています。

そんな二人が、やがて。

怪奇譚ではありますが、そこには否応なく時代が横たわる。彼らの悲しみが、少しでもあなたに伝わりますように。