余りにも、おぞましく、忌まわしく、哀しい「匣」の中身……

乱世にさらなる悲惨をふりまく謎めいた連続怪事件の裏には、数百年も昔の惨劇があった。
ネット怪談で時たま見られる忌まわしい呪いの物語をも思わせますが、五胡十六国時代という戦乱の時代の描写と、怪異に立ち向かう登場人物たちの姿によって、その生々しさと哀しさとが引きたてられています。
登場人物たちが、悲惨をなんとか鎮めようと、安らがせようと全力を尽くすからこその、この哀しさをどうかご覧ください。