概要
物語は、オムニバス形式で各章がゴットフリートとラルフ兄弟を軸にして繋がる群像劇です。第1章は弟ラルフと妻ゾフィー、第2章は兄ゴットフリートと元婚約者アントニアが主人公となります。
第1章は、元々この作品のタイトル『始まりはデキ婚から』として公開していた内容です。その内容に第11話とエピローグ以外、大きな改変はありませんが、第2章以降の執筆にあたって第1章でも内容的な不整合
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!華麗なる血族の末裔は罅割れたアラベスクを修復する
リアルな貴族社会を舞台にした濃密なヒューマン・ドラマです。
現代風のキッチュな題名からは推し量れない貴人と貴婦人の葛藤や挫折、救済が精緻な筆致で描かれ、読み進めるほどに主にヒロインに寄り添いたくなる大人のロマンス。家族や取り巻きも風変わりでひと癖ふた癖あり、物語に花を添えます。
家の格式を重んじる政略結婚、華やかなれど閉鎖的な社会──しかし、在り来たりの宮廷ドラマとは異なり、男性側は浪費家の父親らの所為で没落した子爵家。土地家屋を貸し出し、綱渡りの生活を強いられる不安定な身分とあって約束された子々孫々の繁栄もない……
しかも、商人階級が台頭して華族が安泰とは言えない時代背景が陰を落とし…続きを読む - ★★★ Excellent!!!一見華やかで絢爛とした貴族社会の裏側と、切なくじれったい愛を描く物語
第一章、読了後のレビューになります。
あまりにも不遇なヒロイン、ゾフィーは貴族社会の闇の部分に支配されて身動きの取れない女性です。
そして難ありまくりな親を反面教師に育ったヒーロー、ラルフ。
一瞬よくあるヒストリカルな恋愛小説だろうと思われたそこのあなた。この作者様、とにかく貴族社会の裏側を描いており、そこが面白いのです。
二人の家族など、周囲の人間たちの思惑が複雑に絡み合い、群像劇と言ってもいいでしょう。
「こいつ、どうしようもない! ああ、こいつ、なんでこんなことしてくれちゃったんだ!」そう思わずにはいられません。
そしてもちろん皆さん期待の恋愛描写も素晴らしい、なんとか二人に幸…続きを読む - ★★★ Excellent!!!この物語の魅力は、過激さではなく、切なさと焦れったさ。ああもどかしい!
タイトルや、冒頭のエピソードにはびっくりさせられますが、
この物語の魅力は、実は切なさと焦れったさにあると思います。
ヒロインたち(ゾフィーとアントニア)は、真っすぐな心の持ち主なのに、
貴族のお家事情のせいで、酷い苦境に追いつめられてしまいます。
希望の光が差し込んだように思っても、
反省や、後悔や、遠慮などが邪魔をして、なかなか救われない・・・
このもどかしさ、ハマると止まりません。お勧めします。
※私は「ドアマット」の言葉も知らなかった初心者ですが、
この作品のおかげで、読書の楽しみ(世界)が広がりました。 - ★★★ Excellent!!!貴族社会の描写が本格的で面白い! 人々の思惑が複雑に絡み合う群像劇
第一章では侯爵令嬢ゾフィー、第二章では伯爵令嬢アントニアの境遇が描かれます。
ふたりとも貴族社会のルールにがんじがらめの苦しい立場の女性です。そんな彼女たちのまわりには、それぞれ思惑のある一癖も二癖もある登場人物たちがいて、彼女たちの運命を翻弄するのですが……
貴族社会の背景設定が秀逸です!
上記がしっかりしているおかげで、登場人物たちの悩みや行動がとてもリアルに感じられました。
リアルな設定はときに物語の動きを小さくしてしまうものですが、本作の第一章は驚きの結末をみせてくれました。現在、第二章を追いかけているのですが、アントニアがどんな結末を迎えるのか今から楽しみです♪
あと、貴族の性…続きを読む - ★★★ Excellent!!!時代のしがらみに振り回されながらも、幸せを模索していく二人の男女の物語
19世紀半ばのヨーロッパの貴族社会をモデルに、ちょっと難ありの親を持つ二人の男女の物語です。
物語はこの時代の生きにくさが淡々と語られてゆきます。
貴族の事情や社会的立場に振り回されながら、時に不条理な事柄までも強いられる登場人物達が、さまざまな出来事を通して描かれています。
その情景はまるでN◯Kの朝の連ドラをみているようで、とても続きが気になってしまいます。
制約の多い時代、当主が絶対の家長制度、歪な親の愛、そんな中でも主人公達は純粋さを失わずゆっくりと幸せをつかんでいきます。
人生とはどうなるかわからないもの、幸せは自分で探してゆくもの、そんな言葉を思い起こさせる深い物語です。…続きを読む - ★★★ Excellent!!!華やかな貴族社会の裏の顔
王国の歴史の裏側、王侯貴族たちの愛憎劇を覗き見したようなドキドキハラハラを味わえます。
第1章のゾフィー。
第2章のアントニア。
主人公の女性たちはそんな中に身を置き、それでも正しく生きようとしているので、その健気さに心打たれます。
どちらの婚約者、結婚相手も想い合う女性が別にいて、それでも彼女たちは醜聞を避けたい家のための結婚をしなくてはならないのです。
ひどい仕打ちにヤキモキしたり、つらいことがあっても少しずつ救いが見えていく様にほっとしたり、一喜一憂してしまう作品です。
つらい展開が続いても、先が気になって読む手が止まりません。
ぜひ、この作品を味わってみてください! - ★★★ Excellent!!!複雑な人間模様が織りなす、深みのある物語!
「始まりは偽装デキ婚から」というタイトルからは想像もつかないほど、物語は豊かな背景と深い感情を描き出しています。ゴットフリートとラルフ兄弟の運命が、家の没落、失われた婚約、そして新たな縁談によってどのように変化していくのか、一話一話がとても引き込まれます。
貴族社会を舞台に、豪華絢爛な世界観の中で繰り広げられる悲喜こもごもの群像劇は、まさにドラマチック。キャラクターたちの内面描写は非常に繊細で、彼らの苦悩や葛藤、そして時に見せる強さに深く共感し、応援したくなります。
連載が続くたびに、どんな展開が待ち受けているのか、ワクワクしながら次回を心待ちにしています。この物語はただの恋愛小説にとど…続きを読む