英霊大戦
杵露ヒロ
第1話 滅びの地球より…
今、私達の地球は滅亡間近です。
"混沌"と呼ばれる存在により地球を侵食をされ、人類は生活圏の9割以上を失いました。
何故、"混沌"が現れたのか。
それは、地球上から"マナ"と呼ばれるエネルギーが枯渇していった為なのです。
かつて、人類は石油等の化石燃料を元に繁栄の限りを尽くしていました。
ですが、それらに伴い地球温暖化の問題が浮上。
世界各国の研究機関は化石燃料に変わるエネルギーを求め、研究を続けていました。
研究がはじめられ、どれくらいが経ったのでしょうか。
遂に、人類は"マナ"という夢のエネルギーを発見するに至ります。
それは、地球上の何処にでも存在し、大気や土壌、水質の汚染はしない。勿論、温室効果ガスも排出しない。
文字通り"魔法"の様なものでした。
マナテクノロジーはかつてないほどのスピードで開発され、発見から数年で実用化にまでこぎ着けたのでした。
最初は、動力として、マナカーやマナトレインとして人々の「足」から開発され、様々なものに発展されました。
マナテクノロジーにより地球を汚さないで、生活水準を守れる様になったのです。
衣食住のほぼ全てをマナテクノロジーにより賄える様になるまでに至ります。
ですが、やはり人の業なのでしょうか。
マナテクノロジーを軍用に利用する研究もまた、進められていました。
銃器に始まり、ありとあらゆる兵器もまたマナテクノロジーにより作り替えられていきました。
そして、遂に事件は起こってしまったのです。
緊張状態が続いていた某国がマナテクノロジーで造られた超強力な爆弾、それこそ核と同等かそれ以上の人類史上最も最悪な兵器を暴発させてしまったのです。
その結果、世界からは急速に"マナ"が失われていきました。
マナが失われた地域、場所から"混沌"が侵食。
あらゆる近代兵器が通じない"混沌"。
数少ない対抗手段が"マナ"による攻撃でした。
しかし、マナテクノロジーの行使は混沌の侵食を強める可能性があり、使用が躊躇われました。
近年、マナテクノロジーをもたらしたのも、暴発事故を起こさせたのも"混沌"だったのではないのかという説が通説となっています。
マナとはどの様なエネルギーであったのか。
それは、地球そのものの生命エネルギーである。という説が大きな支持を得ています。
事故により、生命エネルギーを失った地球。
そして、混沌は世界の9割以上を侵食したのです。
人類が保護されている生活圏は元々、霊的に強い場所になります。言うなればマナの力が強い場所になります。
幸か不幸か我が国、日本は世界でも有数な霊的強国でした。
それでも、全ての人が保護区で暮らせてはいないのです。
死に瀕している地球。
ある日、その地球のアバターとも取れる存在から数少ない混沌への対抗手段が世界同時に伝えられました。
それが『英霊召喚術』と呼ばれるモノでした。
『英霊』とは。
世界各国の神話、歴史、伝承、逸話、物語に登場、存在した英雄達の事。
強い、マナの加護を得た英霊は混沌への唯一の対抗手段となっていったのです。
そして、この私もその英霊を使役し、共に在る者。
『英霊召喚師』
なのです。
申し遅れました。
私は『
英霊召喚師として、保護区域外での任務を終え、拠点、基地といった方がしっくりくるでしょうか?
そこに戻ったところです。
白い雪の如くの訪問着に、その上には同じく白の道行きを。
手には手甲の様なグローブ。
足袋に、草履。
典型的な和装です。
英霊を使役しますが、護身用として仕込杖を所持しております。
よく、死装束なのか?と聞かれますが、半分は正解です。
英霊召喚師の戦いは常に死と隣り合わせ。
もう半分は私の決意の表れです。
そう、これから言いつけられる任務に対しての決意です。
この世界の存亡をかけた重大な任務。
私にも、また、1人の英霊召喚師として、その命を賜る時が来たのでした。
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