第8話 鈴木 哉牙
あれから俺、
そりゃ、超絶美人なお姉さんとキスをしたからな!
しかも、いきなり口をおおうようなディープキス!
ちょっぴり、舌も絡んだかも…
絶対に夢じゃない!
ガンッ!
そんな俺の頭をライフルの柄でどついてくるヤツがいた。
「早く、撃て!エロ哉牙!」
そう、乳と声だけデカイチンチクリン。俺の腐れ縁。
「痛えな!撃つよ!」
お姉さんの事で頭がいっぱいの俺だが、ライフルを構えたら何のその。一気に集中力を高める。
プロのスポーツ選手もやる、集中するためのルーティーンだな。俺もライフルを構える際にそれを取り入れてやっている。
ダン!ダン!ダン!
練習用の的のど真ん中に3発とも命中。
その様を見て悔しがる茜音。
「終わったぞ、チンチクリン」
俺は茜音の頭をポンポンポンと叩く。
まあ、茜とは40cmくらい身長差があるからな。
それも、茜音が悔しがる要因の1つだ。
偏差値は中の下。そんなに高くないごく普通の県立高校だが、部活には力を入れている。
一部の部活は県内の有名私立校と張り合うくらいの実力がある。
そんな中、射撃部兼銃剣道部があるのがこの高校だ。
あくまでもメインは射撃で銃剣道は興味のあるヤツが任意で取り組んでいる。
因みに、俺は面白そうだったからという理由で銃剣道もやっている。
何せ射撃場の数には限りがあるからな。銃剣道は空いている時間の有効活用にもなるし良いトレーニングにもなる。
そう言うこともあって、部活は結構充実してる。
ウチの学校は基本的には19時が完全下校になっている。大会前とかの場合は顧問が延長申請をだしたりするけどな。
まー、高校生だからな、予備校や塾に行く連中の事も考えての事だ。
部活も終わり、俺は茜音と家路につく。
「な~、茜音よぅ」
「なに?」
「こう、少しは『噂になったら困るから』とか言って幼馴染みレベル上げようとは思わねぇの?」
「だから、そんな幼馴染みいないから!あんたとはほぼ生まれた時から一緒だから、噂も何もないでしょうが!」
そう、まさしく俺と茜音は続に言う幼馴染み。家も隣、誕生日も1日違い、親は昔からの知り合い同士、幼稚園から1度も違うクラスになったことがないレベル。
だから、俺は幼馴染みではなく『腐れ縁』って言ってる。
あいつが可愛いとかそうでないとかは俺の中では別の問題だ。
何度も言うが、乳と声だけデカイ、口煩いチンチクリン。としか思っていない。
ただ、気さくで明るい、物怖じしない性格は男どもから密かに人気らしい。
ま、みんな健全な高校生だからな。茜音のでかいおっぱいのことしか考えてねえのさ。
「なんか言った?」
「何にも」
そうこうしていると家に着く。
ー 小料理 うどん 酒処 すずき ー
俺の家。
ばあちゃんがやっている店だ。
「あ~あ、あの綺麗なお姉さんに会いてえなあ」
「だから、まだ言ってんの?そんなの夢で妄想でしょ!お得意な!」
「うるせえ!夢でも妄想でもねえよ!間違いなくいたんだよ!超美人のお姉さん!」
口喧嘩をしながら店に入る。
「ただいま!」
「ただいま、って、ええええええええええええっ!」
「いらっしゃいませ、おや?」
店に入ったとたんに俺は絶叫してしまった。
「あ、茜音!この人だよ!この人!ずっと話していた超美人のお姉さん!」
思わぬ所でのお姉さんとの再会に、俺は興奮と、混乱がマックスだ。
思い起こされる、キス!
や、ヤベエ…
みたか!チンチクリン!
そんな茜音も口をあんぐり開けて、お姉さんを見ていた。
てか、何でお姉さんがこんなところに…
俺は、数分後に、お姉さんがここにいる経緯を知り、さらに驚くワケ!
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