「ぬばたま様」「ぬばたま様」私だけが知らない、私だけがわからない——。

 ホラーとミステリーの共演! アナタはこの正体にたどり着けるか——?

 とある中学校を舞台に、じわじわと広がっていく「ぬばたま様」の噂。
 いじめを苦に自殺した生徒と、彼女をいじめていた生徒の周辺で噂が広がっていると知った主人公は、自分だけが知らないその「ぬばたま様」の謎を追う事に。

 曰く付きであるというこの地で、過去に起こった出来事。
「ぬばたま様」という伝承。
 生徒たちに次々と襲い掛かる不吉な出来事。
 ——だけど、私だけが「ぬばたま様」を知らない。

 少しずつ明かされていく呪いの真実と、主人公・恋本さんの秘密。
 その点と点が一気に繋がり、点在していた恐怖がぶわりと繋がる様は圧巻です。
 視点と構成がとても巧く、ホラーとミステリーの要素がありこちらも謎を一緒に追いながらもどんどん次を読んでしまいます。

 言いようのない恐怖が自分以外の知る所で広まっていき、やがては主人公もその恐怖に呑まれて——?

 あっと言うラスト。
 日常に溶け込んでそうな人の悪意。
 この作品を読んだ後、ふと夕暮れ時に、アナタも後ろを振り返ってしまうかもしれません。

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