Raining~吸血鬼の集うショットバー~

作者 惣山沙樹

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★★★ Excellent!!!

吸血鬼の集う、ショットバー……なんて魅力的な言葉だろうか。

と思って立ち止まったそこのあなた、ちょっとだけ覗いていったらどうです?

吸血鬼にも群像的なドラマがありましてね……お酒の代わりに、この小説で。

お好きな場所でバー「raining」に立ち寄れば、そこには酔血をもつ人間のバーテンダーが働く、優雅でしっとりとした夜雨に癒される空間が広がっています。

ああ、今日も開店したようです。

扉を開けばすぐそこに——さあ、ともにバーへと行きませんか?

★★★ Excellent!!!

この作品で主な舞台となるのは、Rainingというショットバーです。マスターの修斗さんの元には、日によってさまざまな人間や吸血鬼が訪れます。

この作品に漂う雰囲気は、バーが舞台ということもあり、大人びた感じがします。私はバーに行ったことがないんですが、まるで実際に訪れているような空気感を味わえて、ちょっと大人な世界を覗いている気分になれちゃいます。

群像劇ということで沢山のキャラクターが登場しますが、それぞれ個性があるので、貴方の推しも見つかるかもしれません。ちなみに、紹介文のリンクから登場人物紹介のエッセイに飛べるという、素敵な気配りもありますよ!

ローファンタジーが好きな方や、バーの空気感を追体験してみたい方におすすめの作品です。これを読んでいる貴方もよかったら、Rainingに訪れてみませんか?

★★★ Excellent!!!

人間と吸血鬼が共存する現代日本。
そこにある一軒のショットバーに集う人々の物語です。

文章から漂う、しっとりとしたスタイリッシュな雰囲気がとても魅力的です。

吸血鬼が出てきますが、派手なアクションなどはありませんので、細やかな人間(&吸血鬼)模様をじっくり味わって楽しんでいます。

夜、静かな部屋で、お気に入りの一杯を片手に読むのが似合う、そのような作品だと思います。

★★★ Excellent!!!

 吸血鬼が出てくる小説ですが、ホラー要素はありません。

 バー「Raining(レイニング)」には、たまに吸血鬼のお客様がいらっしゃいます。
 彼らはこのバーで提供されるあるカクテルを飲みにやってくるのです。


 現代日本に吸血鬼が生息しているというお話。
 彼らは人知れず人間社会に暮らし、生活しています。そしてこの物語は、そんな吸血鬼が通うバーと、彼らに絡む人間たちのお話。

 それぞれのエピソードで、吸血鬼や人間たちにスポットが当てられ、それぞれの恋や生活、結婚の問題なんかが語られます。

 吸血鬼と吸血鬼の話だったり、吸血鬼と人のカップルの話だったり。いずれにしろ、激しい話はありません。


 夜、日が暮れてから開き、深夜に閉まるバーを舞台に、まるでカウンターの上でグラスを傾けるように、静かに、ゆっくりと流れる時間を楽しむ群像劇。

 大事件は起きないんですけれど、この、バーにいるような落ち着いた雰囲気が毎回つづき、不思議とその世界にハマります。

 なんとなく、その気はなくとも、ついつい毎晩立ち寄ってしまう。そんな小説です。


★★★ Excellent!!!

私はバーによく行くのですが、バーに行かなくても、そんな雰囲気を味わえるこの作品。でも、バーで悩みを打ち明けてるのは「人間」ではないわけで・・・

タイトルでネタバレ感がありますが、ま、黙って読んでみてください。
大人のあなたは、読み終わった後ショットバーにいきたくなりますよ!

★★★ Excellent!!!

お話を読んでいて、雨の中にひっそりと佇むバーの情景が脳裏にありありと浮かび上がってきました。
温かな雨のような包み込む文章と、その中で織り成される人と吸血鬼の穏やかな会話がとても好きです。
吸血鬼の単語に惹かれて読ませていただきましたが、とても素敵なお話でした!

★★★ Excellent!!!

ショットバーが中心となる本作。
吸血鬼や地下アイドルといった一風変わった人々を引き寄せ、そして何やらひともめあるようで……。
独り身の彼にはどんな人がお似合いかな? と想像するのも一興。
群像劇らしく、様々な人に焦点が合っていくのは面白いと思います。

★★★ Excellent!!!

吸血鬼がなぜ集うのか。
血についての設定もさることながら、血の味だったりお酒の話だったり、人の生き血を啜ったことがない私にもイメージできる説得力がすごいな、と感じた作品。

物語はショットバーを取り巻く人間模様を書かれています。
落ち着いた大人な雰囲気の作品を読みたい方に特におすすめします。