綻びの生じた世界の境界を結び直すために

人界、妖界、鬼界。本来は結界で隔てられているはずの三つの世界の境界の綻びを結び直し、閉ざす。
なぜそうしなければならないのか、前任者はなぜ死んだのか。日常を生きていたはずの主人公は、何も分からぬままにその役目を任される。
主人公が何も分からないからこそ、彼と共に見届けていく読者もまた主人公と同じように疑問を抱き、そして真実を知ることができる。
妖たちもまた個性的で、和風ファンタジーが好きな方にはたまらない一作でしょう。
疑問がある。何としてもという願いもあれば、悲しいこともある。これは役目というものを負うことになった人の業や、それを取り巻く人々の思惑に振り回されながらも、進んでいく物語なのかもしれない。
ぜひご一読いただき、主人公と共に物語を見届けて欲しいと思います。

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