真実なんてどうでもいい

主人公はふつうの日本人、でも彼女が住んでいるのは外国で、日本人のふつうが通用しない場所。
そこで起こる日常と非日常の繰り返し。最後は、何が何なのかわからない状態で終わる――。
わからなくても、ストレスは感じません。真実なんてどうでもいいくらいに脳内を掻き乱されるからです。

これを読んで、平行世界に対する一つの説を思い出しました。
私たちは宇宙空間に無数に存在しています。無数の「私」が無数の「世界」に同時に存在しているんです。
それぞれの世界はまったく同じではなく、微妙に異なっています。
その世界の一つで「私」が死んだら、「私」の意識はどうなるか?
生きている別の世界の意識と統合されるため、本人の感覚では生き続けるそうです。「死んだかと思った……」と思いつつ。
ひょっとしたらこの主人公、「どこかの世界で死ぬ」を繰り返しているのではないでしょうか?

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