概要
旅路の果てに残るもの
旅の路上に生き,人々に世事を伝え祝祭では民衆の指揮者となる者,吟遊詩人。
ダンバーのリュシアンは若き詩人。路上や街区で人々を踊らせ,寒さ厳しき冬はどこかの宮廷に雇われ生きている。旅の中で繰り替えされる出会いと別れ(序・一章)は渡世の常。そんな詩人の生き方はある戦場での経験を機に一変する。目の当たりにした生と死,そして死を賭してなお守るべき覚悟,それに触れた詩人の生は変わらざるを得ない(三・四章)。
路上の中で再び出会う人たち。彼女たちの生の軌跡が詩人と交錯し……(六章〜)、そして彼自身もまた自らの生と向かい合う。
途中,唐突に挿入され描かれるのは,詩人の時代から百七十年後の世界(前作『彼女たちの遍歴』の時代)。何も知らない彼女たちが無邪気に繰り広げる日常の中に潜むのは,古の詩人とそ
ダンバーのリュシアンは若き詩人。路上や街区で人々を踊らせ,寒さ厳しき冬はどこかの宮廷に雇われ生きている。旅の中で繰り替えされる出会いと別れ(序・一章)は渡世の常。そんな詩人の生き方はある戦場での経験を機に一変する。目の当たりにした生と死,そして死を賭してなお守るべき覚悟,それに触れた詩人の生は変わらざるを得ない(三・四章)。
路上の中で再び出会う人たち。彼女たちの生の軌跡が詩人と交錯し……(六章〜)、そして彼自身もまた自らの生と向かい合う。
途中,唐突に挿入され描かれるのは,詩人の時代から百七十年後の世界(前作『彼女たちの遍歴』の時代)。何も知らない彼女たちが無邪気に繰り広げる日常の中に潜むのは,古の詩人とそ
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