真っ直ぐな恋心は人と魔族の架け橋になる

　狼少女のルゥちゃんは、大好きな人間の少年トワさんにまっしぐら。

　彼の祖父が理事を務めるラピス学園に、乞われて転校してきたところから物語が始まります。
　この学園の目的は人族と魔族の友和促進。
　にも拘わらず、学園内で事件が起こりルゥちゃんも自ら飛び込んでいくことになります。やがてそれが大事件に発展し、陰謀に立ち向かうことに……

　語り口調は男の子っぽいですが、一途で正義感の塊、時に思い切った行動をも辞さないルゥちゃんが可愛くて、応援したくなります。そんな彼女を支える男性陣も魅力的。
　穏やかで強いお兄さん、トワさん。
　無口で照れ屋の同期、ハイネ君。
　彼らの恋模様も楽しいです。

　長く戦い続けてきた種族同士が仲良くなることは難しい。
　でも、だからこそ、こんな風に心を開いて歩み寄っていけたらいいのに。

　そんな温かい気持ちにさせてくれる物語です。お勧めです。