狼少女の恋愛と、人と魔物の関係性

人と魔族の戦いが終わり、共存を始めた世界。
この物語は、そんな時代を生きる人狼の少女ルウの話になります。

共存の道を選んだものの、かつての敵同士。まだまだ割り切れていません。
そんな溝を埋めようとする方針のラピス学園に転校しましたが、そこでも魔物に対する印象は決していいものではありませんでした。
しかし幼馴染のトワの近くに少しでもいたいため、一匹狼になろうとも学園に通い続けます。
そして次第に、人と魔族の関係によって起こるトラブルに巻き込まれていくことになります。

人と魔族には溝があり、どうしても違うところがあります。
ルウの仕草や匂いに対する習性、それを見た周りの人間の反応など、しっかり描かれていて面白いです。
トワや半熟騎士ハイネたちとのやり取りも、見ていて飽きません。

終盤では、ルウがそれまで知らなかった今の世界の裏側、真実などを知ることになりますが、やはり争いは綺麗ごとだけでは済まされないということでしょうか。現実味のある真相が隠されていました。
争っていた相手と理解しあうのは大変ですが、それでも分かり合えないわけではない、と考えさせられます。

そういった小難しいことは抜きに、純粋にルウとトワ、ハイネたちとの人間模様もとても楽しめました。面白かったです!

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