前世の自分と現代の自分。そして魔王

物語の内容はタイトルの通りです。
主人公は現代を生きる女の子。だけど前世である剣の聖女の記憶を持っていて、魔法まで使えてしまう始末。妄想では片づけられません。
しかも彼女はとある乙女ゲームの主人公そっくり。聞けばその内容は前世の人生と同じものでした。
一体全体どうなっているのか――。
そしてついに、前世の最期に死闘を繰り広げた魔王そっくりな男の子が現れて、物語は真相に向けて動き始めます。

前世では主人公が死んでしまういわゆるバッドエンドを迎えているわけですが、ゲーム内ではそれ以外の可能性が描かれており、かつての仲間との恋愛なんかもあるわけで……そんな恥ずかしすぎるゲームを当人はプレイできない、というのが面白いです。
代わりにゲームをやり込んだ親友が登場しますが、主人公としてはなかなかに複雑な心境ですね。

前世の自分と現代の自分。そして魔王。
内面的な問題を抱えつつ、現実に起きるトラブルを解決していく。
もしゲームの登場人物が現代に転生し、しかも元になるゲームもちゃんと存在するとしたら?
その答えをきちんと描いた作品だと思いました。

テンポ良く読めましたし、とても面白かったです!

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