もふもふ通訳が言語の壁を取っ払う!

アズハは通訳になることを夢見て交換留学制度を利用しようとしますが、教授は、美人で胸の大きいミスコン準優勝の女性を推薦し、制度利用の道は閉ざされます。
更には、両親を不幸な事故で亡くしており、自費で留学という訳にもいきません。

夢が消えたと落ち込むアズハに、追い打ちをかけるように、彼女は異世界に飛ばされます。
ですが、そこで運命的な――いえ、もふもふ的な出会いを果たします。

アズハが出会ったのは、獣人王国の騎士団長・銀狼のガウル。
彼に一目惚れしてしまったアズハは、ことあるごとに彼をもふもふしますが、ボディタッチは狼にとって求愛行為に当たります。
それを知らないとはいえ、もふもふを繰り返すアズハ。
ガウルは自らの立場や境遇から、アズハのように接してくる者に慣れていませんでしたが、アズハの無邪気な純真さは、彼の心を溶かしてくれます。

このように、思わずにやにやしてしまうラブロマンスと癒やしは、本作の魅力の一つですが、ストーリーには『言語の壁』という重厚なテーマが横たわっています。

獣人と人間は異なる言語を用いており、基本的に意思の疎通は不可能です。
しかし、アズハは何故か、双方の言葉を理解して通訳することができました。

その力を用いて、アズハは人間のダンたちと行動を共にして、獣人と人間の戦争を回避すべく奮闘します。
そうして旅をしていく中で、『言語の壁』の秘密、アズハが異世界に飛ばされた理由、アズハが人間でありながら獣人の言葉を解する理由など、様々な事実が明らかになっていきます。

獣人の人間の溝は非常に深く、そこに魔王という存在が絡み、状況は混迷を極めます。
果たして、アズハたちは戦争を回避し、魔王を打ち倒せるのか?
獣人と人間の溝は埋まるのか?
アズハとガウルの恋の行方は?

是非、にやにやもふもふしながらお読みください。

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