まぁるいシフォンケーキのような甘いお話

烏天狗の三月と幼馴染の莉子との恋愛を書いたお話。
三月と莉子は誰がどう見ても相思相愛ですが、その恋愛は中々うまく発展しません。
烏天狗という種族が持つ、特殊な社会性と文化が、他種族である人間との恋愛の障壁として立ちはだかります。

烏天狗は人間を超越する肉体と神通力を持ち、寿命も人間よりもはるかに長い。だからこそ、烏天狗には烏天狗独自の考え方があり、人間とは相容れない部分もあります。
それは、三月と莉子の恋愛にも関わり、ひいては二人の人生そのものに関係してきます。

本作は、単なる少女漫画的な恋愛ものとしても読むことはできますが、多様化が進む現代において、様々な価値観を持つ人々がどのようにして、互いを理解しあうか、それを考えさせてくれる作品としても、読むことができます。

まぁるいシフォンケーキのような甘いお話ですが、同時に、滑らかな深みのある味わいも併せ持った一作です。

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