今世と前世。記憶が繋ぐ二つの運命。

あやかしの見える女子短大生、琴乃。もちろん普通の人にはあやかしなんて見えず、そのため苦しい思いをしたことも。
しかし、同じ短大に通う桃葉と出会ったことで、ある変化が。
なんと桃葉も、琴乃と同じようにあやかしを見ることができたのです。

桃葉と次第に親しくなっていく琴乃ですが、そうしていくうちに、時折前世のことが思い出されます。
思い出すと言っても、その記憶は非常に断片的。時には理由もわからないまま、胸がざわついたり涙が零れたりといった感情だけが溢れることもあり、前世で何があったのか、戸惑いながら、手探りで少しずつ探っていく。
それは読者にとっても同じで、作中で語られる出来事をヒントに、前世の物語を、そして琴乃たちのことを、ゆっくり少しずつ理解していくことになるでしょう。

全てを知った時、琴乃の前にはどんな世界が広がっているのか。
あやかしの世界が、繊細に、そして美しく描かれます。

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