月が入るのは山でも草でもない。人の心の中だった☆

未来の武蔵野に取り残されたAIと管理者。不毛で大気の状態も不安定な中、逃げ出したくなる衝動にも駆られそうだが、管理者はその地に骨を埋める意思を固めていた。そこにはAIに対する愛情が深く関わっているが、古の短歌にも造詣が深いところを察するに、武蔵野そのものを愛しているようにも読み取れた。
とにかく優しい。武蔵野の情景をAIに委ねて詠ませる心遣いに、作者様の優しさが滲み出ている。読後の余韻は哀しみよりも期待に溢れていた。

月という存在をどう受け止めるか。
この作品に触れた後、見上げた月に今までとは違った感想や印象を抱くやもしれません☆

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