10月の蝉を思う

今の学生たちは、様々に制限のかかる中で何を思い生活しているのか。殊に、期待に胸膨らませて新たに進学した途端に学校が休みになった世代は、それこそ学校に行きづらくなってしまった人も多いと聞く。
そんなある種の孤独を10月の蝉に託して描き、そしてひとつの答えを提示しているように思える作品である。
仲間はいない、呼ぶべきメスもいない。この10月まで続く暑さによって地面から出てきてしまった孤独な蝉。これを愚かと思うのか、哀れに思うのか、それとも。
生まれたことを後悔せずに過ごせたかな。
誰もがそうであって欲しいとも思う。そんな風に思う作品でした。ぜひご一読ください。

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