第八章【邂逅】

 ――本格的に秋が深まったある日、大学の講堂で、後ろに座るレイが僕を呼んだ。ぱらぱらと捲っては眺めていた本をぱたりと閉じて振り返ると、


「ハルカ、英語の課題やってある? 今日、提出の。分からなかった所があってさ、見せてくれない?」


 と、心底困ったように言った。


「良いよ。合ってるかは知らないけど」


 課題を手渡すと、サンキュ、と言ってレイは受け取り、せっせと写し始めた。どうやらほとんどやっていなかったらしい。


「なあ、合ってるかは分からないって聞いてた?」


「聞いてた、大丈夫! 空欄より、よっぽど良いよ。ありがとうな。今度、俺のを写して良いからさ」


「いや、別に良いよ」


 ふと腕時計を見ると、講義が始まるにはまだ余裕があったので、僕は借りていた本を図書室へ返しに行く事にした。


「レイ、終わったら僕の席に置いといて。図書室に行って来るから」


「分かった、任せとけ」


 レイは顔を上げずに答えた。その間も手は休みなく動いている。分からない所があるというよりも、解答してある所があるのかどうかが疑問だ。


 図書室へと続く廊下を歩きながら、手に持った本に視線を落とす。持っている五冊の本は全て小説だ。完読したもので、言わば夢の残骸だった。文庫本で、さして重くはないはずなのに、何故か重量感を感じる。それは、まるでそのまま後悔の重さのようだった。いや、それならもっと重いだろう。


 ――僕は、どうしたら良いか分からずにいた。僕が出来る事は何だろうと、ここのところずっと考え続けている。そして答えが掴めないまま、こうして日々を過ごしている。この当たり前のような日常は、僕に許されるものではないような気がしてならなかった。事実、許されないだろうと思う。僕は、この「当たり前の日常」を彼らから奪った。それで、どうして僕がそれを享受出来るだろう。出来るはずもない。


 ただ、僕は自身を許せないからといって、どうしたら良いのか、その選択肢すら分からなかった。命を捨てるべきなのかとは思った。けれど、そうしたところで彼らは帰って来ない。北上も、マナも、絶対に。それならば、他に何が出来るのだろう。


 この思考がある時点で、もうここは、今まで通りの「当たり前の日常」では既になかった。自分自身がこの現実を築いた。ただ、たとえようもないほどの心を抱えているにも関わらず、僕はまだ、僅かに何かを諦めていなかった。僅かに何かを期待していたのかもしれない。それは、とても浅ましい。ここまで来て何を期待するというのだろう。救われる事だろうか。僕よりも、北上とマナこそが救われるべきだ。けれども僕には、その手段が分からない。


 思考は常に一点を繰り返し繰り返しなぞるように考え続け、出口とは言えない出口に辿り着く。何度も何度もそれを意図せずとも重ね続ける内、自分が今、何を考えているのかが把握出来なくなって来る。


 ボールペンで字を書いた時、はっきりとインクが出なくてかすれる事がある。あの掠れのようなものを、ただ際限無く撒き散らしているだけではないだろうか、この思考は。かと言って、他にどうする事が出来るのだろう。


 ああ、こうしてまた同じ所を迷路のように廻り続ける。そして、また夜が来る。朝が来る。一日が終わり、また一日が始まる。当たり前のようでいて決してそうではない、そうでは有り得ない日常が、ゆっくりと僕を摩滅するかのように巡る。それは不幸か幸福か。良く分からない。そう、僕は良く分からなくなりつつあった。


 長い廊下の先、辿り着いた図書室の扉を開けると、入ってすぐの所にある長机の席に一人、老人がぽつんと座っていた。カウンター内には誰も見当たらず、点けっ放しのパソコンのモニターが所在無さげに、ぼんやりと光っている。本を置き、室内をぐるりと見回したけれども、僕と老人以外には誰の姿も無い。念の為に本棚と本棚の間を軽く見て回ったけれど、やはり誰もいない。室内はただひたすらに、しんと静まり返っていた。


 壁時計を見上げると、まだ講義が始まるには時間がある。それならば司書か担当の教授か、とにかく誰かがいるはずなのに、一体どうした事だろう。そのまま本を置いて行くわけにもいかず、どうしようかと僕はもう一度、図書室内を見渡した。視界の片隅に映る老人の存在が、どうも気になる。大学の関係者なのだろうかとも思ったが、違うような気がした。確信は無いけれども。


 その時、


「やあ、初めまして」


 という声がした。


 その方向を見ると、さっきの老人が穏やかな顔で僕を見ていた。


「本を、返しに来たのだろう?」


 親しげに話し掛けて来るその老人に僕は見覚えは無く、落ち着いたその声に聞き覚えも無かった。正直、突然の事に面食らってしまい、僕は返事が出来なかった。


「少し、話をしないか?」


 そんな僕に構う事無く、唐突に老人は言いながら手で僕に席を勧めた。


 訳が分からず、


「あの、何処かでお会いしましたか?」


 と僕が尋ねると、


「ああ、私は君を良く知っているよ」


 と、返された。


 しかし先程、初めましてと言わなかっただろうか? 僕が訝(いぶか)しんでいると、老人はなおも席を勧めて来る。仕方無く僕は老人の向かいの席に座った。すると僕が口を開くよりも先に、老人は落ち着いた声でゆっくりと話し出した。


「君は私を知らないだろうね。だが、私は君を良く知っている。突然に何を言い出すのかと思っているかもしれないが、私はどうしても君と話がしたかった」


 その渋味のある、それでいて幾分甘さをたたえた声は、僕の耳から入り、脳の中心を揺らすような錯覚をもたらした。


 そして老人は、


「ああ、ところで君には私がどう見えているのだろう」


 と、思い出したように言った。


「え?」


 僕が聞き返すと、老人は、そっと両手を組み直し、告げた。


「私の外見さ。たとえば真面目そうだとか、いい加減そうだとか、明朗そうだとか、色々あるだろう? 君が私から受けた印象を教えてほしい。それから、何歳ぐらいに見えるのかも」


 この人は一体、何の話がしたいのだろう。


 すると、そんな僕の気持ちを見透かしたかのように、


「まあ、とりあえず答えてみてくれないかね」


 と、付け足した。


「年は……六十歳くらいで、穏やかそうな感じに見えますけど」


 僕がそう答えると、老人は満足そうに軽く二度、頷いた。


「あの、それで一体……この大学の講師の方ではありませんよね?」


 不意に、老人は目を閉じた。そして、ゆっくりと一呼吸すると目を開き、改めて僕を見る。


「それでは、本題に入ろうか。単刀直入に聞こう。君は、小説の内容の一部が現実になるという出来事を楽しんでいるかい?」


 体が、凍った気がした。あるいは僕の心か、それとも両方か。


「どうか正直に答えてほしい。大切な事だ」


 それらを知ってか知らずか、老人は真剣な声音で、そう重ねて僕を見ている。老人は、先程までと少しも変わらない穏やかな顔付きをしていたけれども、その両目はしっかりと僕を捉えていた。まるで、らす事を許さないような。


 ――疑問は、あった。この人は一体誰で、どうして僕を知っているのか。何故、小説が現実になるという事を僕が体験したと、知っているのか。


 けれどもこの時、僕は老人のその問いに、何故だろう、答えなければならないような気がして、


「楽しんでいません。今は」


 と、言葉にしていた。


「今は、という事は、以前は楽しんでいたという事かな」


「………………そうです」


「どうして今は楽しんでいないのか、教えてくれないだろうか」


 瞬時に、僕の頭の中は罪悪感と後悔の思いで溢れ返った。そして、先程よりも低い温度で再び僕の心情が凍り付いたような気がする。溶けない氷のように胸に突き刺さった記憶の柱が、その存在を誇示するかのように、痛みを放つ。決して忘れ得ない記憶。


 目の前に座る、この人物は一体誰なのだろう。何故、ここまで知っている? どうして僕にそれを尋ねる?


 息苦しくなるほどの後悔と渦を巻く疑念が合わさり、僕は言葉を失ったかのように何も発する事が出来ずにいた。いや、たとえそうでなくとも、この人に心情を語る必要があるのだろうか。この、胸を貫く感情を。


 長い長い、時すらも凍るかと思われた沈黙の後だった。


「――先に、私の事を話すとしようか」


 と、老人が静かに告げた。


「先程も言ったけれど、私はどうしても君と話がしたかった。本当はルール違反なんだがね」


 ふっと表情を緩ませ、遠い昔を振り返るかのように目を細め、老人は懐かしむように話し出した。


「私が生まれたのは、まさに君が生まれた、その時。私と君は同じ日の同じ時刻、一秒のずれも無く、同じ瞬間に生まれたんだ。君が沢山の可能性を持って生まれた事に対し、私は何も持たず、空っぽだった。いつか君が一番の夢を見付けた時の為に。それを入れて、君と一緒に成長する為に。私の成長は、君の一番強い夢の成長に比例する。だから初めは同じようだった私と君の外見は、どんどん離れて行った。君が小学校に上がってしばらくの頃までは、君の方が私より、外見的にも精神的にも年上だった。けれども、あの日を境に私の成長速度は一気に速まった」


 老人は言葉を切り、静かに微笑んだ。


「そう、あの日。君が小学校の図書室で、あの本に触れた時だよ」


 また老人は言葉を切って、ゆったりとした動作で手を組み替える。


「ああいった瞬間を運命と呼ぶのだろうね。あの時から私は、急速に成長して行った。君が心から本を面白いと思ったのは、あれが初めての事だったね。それからの毎日は私にとって夢のように早く流れた。君が本を読むたび、本を面白いと思うたび、そのたびごとに私は成長して行った。そうしていつしか私の外見は君を追い越し、精神もそれに伴って行ったんだ。もう、分かるだろう?」


 嘘のように静かなこの空間が、僕の緊張をより強くする。脳裏に蘇る思い出が、僕の心をここに縛り付ける。


「私が老人の姿をしているのは、君がそれだけ本を愛してくれたという事なんだよ。私は君の、夢そのもの」


 老人は右手首の腕時計に目を落とし、再び僕を見た。


「――私の外見について君に尋ねたのは、私が君の目にどう映っているのか、最初に確かめておきたかったんだ。何しろ、人に会うのは初めての事だからね。不躾ぶしつけな質問をしてすまなかった。ところで、さっきの質問だけれど。答えは聞くまでもなかったようだ。君のその顔を見れば、全て分かったよ」


「あ、あの」


 僕が口を開くと、それを制するように老人は静かに首を横に振った。


「残念だが、もう時間が無いようだ。すまない、本当は君の話を聞きたかったのだけれど。話したい事も尋ねたい事も、まだまだ沢山、あるのだけれどね。あの一連の出来事を今は楽しんでいないという君の言葉、私は信じるよ。だから、最後に大切な事を伝えよう。明日は、君の命日となる。君が死ぬ日だ。君が本当の夢を見付ける瞬間、本当の夢が叶う日を一緒に迎えたかったけれど、こればかりはどうにもならないんだ。明日の午後五時、その時までに、別れを告げたい人に会っておくと良い」


 老人は、ゆっくりと立ち上がった。


「それじゃあ、また会う日まで。君は知らないと思うけれど、君と過ごした日々はとても楽しかったよ。ありがとう」


 そして老人は左手を差し出し、優しく笑った。何かの引力に惹かれるように僕が手を出すと、老人はその手を包むように握った。その体温を感じたのは、ほんの一瞬の事だった。老人の姿は瞬く間に宙に掻き消えてしまった。それに引っ張られるようにして、老人の手の温かさもすぐに薄れて、消えてしまう。後には、静まり返った空気だけが残り、僕を包んだ。


 ――かち、という音で僕は我に返った。それは、壁時計の長針が動いた音のようだった。時計を見上げると、ここに来る前から数分しか経っていない事に気が付く。


「あれ…………」


 感じた違和感が声になって生まれた。少なくとも十分くらいは話していたと思う。上手く回らない頭のまま、そうだ、本を返しに来て、それで……と考えてカウンターの方を振り返ると、いつの間にかそこには、いつもの見慣れた司書の姿があった。そして、さっき僕が置いた五冊の本が変わらずに置かれている。


「あの、これを」


 カウンターに歩み寄ってそう言うと、司書が顔を上げた。


「返却をお願いします」


「分かりました。少々、お待ち下さい」


 バーコードがスキャンされて行く音を、僕はうわの空で聞いていた。何もかもが、もやが掛かったようにぼやけて感じられた。


 ふと、レイは課題を写し終わったかなと考える。それは今、起きた事を白昼夢とでもしたい、僕の小さく、ささやかな抵抗だったのかもしれない。しかし、老人の優しく穏やかな顔と、落ち着いた温かな話し声、そしてそれらに相反する鋭い事実が突き刺さるようにして僕の中に確かに残されていた。


 ――長い廊下を歩き、講堂へと戻る途中。僕は、不意に笑い出したい衝動に駆られた。ちゃんと結末は用意されていたのだ。これが贖罪しょくざいかと、心の奥底の暗く冷たい所で自身が呟く。不思議と、怖くはなかった。そう、まだこれが決定事項だなんて誰にも分からない。先程の老人が僕の見た幻では無いと、誰がどうやって証明出来るだろう。そもそも、今までの一連の事だってそうだ。誰がどうやって証明出来るだろう、起こった全ては僕のせいであると!


「起こった全ては僕のせいである……と」


 こつこつと、足音が響く。ふと足を止め、廊下の窓から外を眺めてみた。見えるキャンパスには多くの樹木が植えられていて、そのほとんどが、もう秋を深く宿している。人の姿はまばらだった。もうすぐ講義が始まるのだろう。だから僕も戻らなければならないのだ。再び歩き始めた僕に、当然の如く、足音が付いて来る。それが忍び寄る死の足音のように聞こえてならなかった。


 僕は今、混乱しているのだろうか。今の、夢のような出来事に? 良く分からなかった。ただ、どうしてだろう。困惑や恐怖に入り混じり、ほんの少しだけ、かけらのような安堵がそこに含まれている気がした。その安堵が何処から来ているものなのかも分からない。いや、本当は分かっている? 結末が用意されていた事に安堵している? 老人の言葉が、ぐるぐると廻る。永遠とも思える感覚で廻り続ける。


 ――ああ、そういえば。中学生の時、美術の授業で、マーブリングという技法を習った事がある。もう、はっきりとは覚えていないけれど、水に各色のインクを落とすとそこに模様が生まれる。何色もの色が複雑に混じり合い、それらは美しかったり奇妙だったり、様々な模様をえがき始める。そこに白い紙をそっと置いて、生まれた模様を写し取るのだ。あれが、心にも使えれば。僕が今、何を思っているのか、この目で確実に確かめる事が出来るのに。


 講堂に戻ると、レイが明るく声を掛けて来た。


「ハルカ、本当に助かったよ! 月曜日、昼飯を奢るよ。何でも良いから遠慮しないで言ってくれ」


「何でも?」


「あ、いや。常識の範囲内で」


「良いよ、お礼なんて。正答率も分からないのに」


「じゃあ、正解が七割以上、八割未満だったらパン三つ。それに満たないなら二つ、それを超えて満たすなら四つ」


「細かいな」


「じゃ、単純にお礼はパン一つ」


「さっきのままにしてくれ」


「こんな話をしていたら、腹減ったな」


「さっき昼飯食べたばかりだろ」


「確かに」


 レイは笑った。つられて、僕も少し笑った。


 僕には分かっていた。僕に月曜日が来ない事を。あの老人の話を鵜呑みにしたわけではない。確かな証拠など、どこにも無い話なのだ。そもそも、老人の存在だって。けれど、これらはあくまでも僕の表面上を滑る思考であり、内面ではもう分かっていた。老人の話が――勿論、存在も――真実であるだろう事が。


 言い切れないのは、夢のような話であり、出来事だったからだ。夢と言うよりは悪夢だろうか。いや、悪夢ではない。当然の結末だ。


 だが、僕に残されていた救いは、老人の姿だった。彼の言葉を信じるならば、彼の容姿は僕が本を愛した結果だという。その言葉こそが夢のような救いだった。だからこそ、僕は彼を信じた。信じるしかなかったのだ。明日で終わりであろうと、なかろうと。




 ――老人に会った、その日の夜。僕は、奇妙な夢をみた。


 煉瓦色をした長い道が、永遠とも思われる長さで遠くまで細く伸びている。その道を僕は、一人きりで歩く。足音が響く。意外なほどにその音は大きく反響し、僕の耳に届けられる。それもそのはず、そこは静かで誰の姿もなかった。


 僕は何故、歩くのだろう。しばらくして、引き返したい衝動に駆られる。しかし、両側に植えられた街路樹が、まるで僕をその道から外れる事を許さないかのように、見張っているかのように、僕の目には映る。まっすぐに空へと向かって立っているはずの左右の木々は、道に寄り掛かるように、倒れ掛かっているかのように見える。僕を閉じ込めようとするように。


 どれくらい歩いたか分からなくなった頃、一軒の店が見える。吸い込まれるようにして、僕はその店の扉を開ける。そこは紅茶専門店のようで、数々の紅茶の缶が綺麗に棚に並べられていた。しかし誰もいない。


 店を出てしばらく歩くと、また一軒の店が見えて来る。扉を開ける。そこはCDショップのようで、多くのCDが整然と棚に収まっている。しかし誰もいない。


 店を出てしばらく歩くと、再び一軒の店が見えた。扉を開ける。そこは靴屋のようで、様々な靴が飾るようにして棚に置かれている。棚の隅には何故か、パンが三つ、置かれている。しかし誰もいない。


 店を出てしばらく歩くと、またも一軒の店が見え、またも僕は扉を開ける。そこは本屋のようで、色々な本が、きっちりと棚に並べられている。ふと向けた視線の先には、「蜜と蜂と巣」「無題」「負の記号の集まった後で」と題された三冊が並んでいた。しかし誰もいない。


 店を出てしばらく歩くと、今度は複数の店が視界に入り込んだ。だが、どの店の扉を開けても、そこには何も無かった。何も。


 歩き続ける。店が見える。扉を開ける。何も無い。店を出る。歩き続ける。店が見える。扉を開ける……。


 これらの繰り返しが、気の遠くなるような時間の中、延々と延々と繰り返された。不思議と心は静かだった。ただ、何かに惹かれるようにして扉を開けて中を見ては扉を閉め、次を目指している。


 一体どれほどの時間が経ち、どれほどそれを繰り返したのか。やがて、繰り返すほどに僕は何かを落としている事に気が付いた。それなのに足を止められなかった。振り向けなかった。ただ、繰り返していた。そして、歩き続けていた煉瓦色の道が唐突に途切れているところまで僕は来た。そこから先は道も街路樹も店も、何も無かった。


 ふと足元に視線を落とすと、白い文字で「ここまで」と書かれていた。


 そこで僕は目が覚めた。

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