嘘のような本当のような「少年」短歌集

短歌の音韻には不思議な、そして不吉な〈重み〉がある。
そのせいか同じモチーフを繰り返し詠むと一種の呪術性が生まれる。
そのモチーフが他ならぬ「少年」なのだから徳に悖る。
全話どこを開いても〈どこからともなく現れては散っていく使い捨ての「少年」達〉を視ることができるのである。