上質の文章が綴る、剣と魔法のファンタジー

レーヴェ王国の第二王子に仕える近衛騎士アーネストと、魔法使いベアトリクスの弟子エディ。
かたや呪いに倒れた主君を救うため、かたや奪われた魔導書――第二王子を襲った呪いの源でもあるそれを取り戻すために。
それぞれの目的のため二人は手を組み、王国を蝕まんとする陰謀と対峙する――

ここしばらく自分が接する機会のなかった、清々しいほど王道の西洋風異世界ファンタジーでした。
とても好きなやつでした。ごちそうさまです。

あらすじだけだとなんとなーく女っ気のない物語のように見えますが、私的には本作のヒロインが作中のキャラクターの中でとりわけお気に入りです。
彼女、特段美少女だとか美貌だとかいう形容が目立つわけではない印象なのですが、しかし何となく文章全体の雰囲気から、美貌のお嬢さんなんだろうなぁというのが伝わってくる感じで。

そうした、世界の空気、明度、肌触りみたいなものが伝わってくる――我々の世界とは縁もゆかりもない異世界だけれど、物語を読み進めてゆく中でそれらを肌で感じられる、そうした上質な文章でつづられた物語です。

現在完結済みの第一部は分量的にもサクッと読める分量なので、異世界ファンタジーがお好きな方は是非にどうぞ。

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