宿題
死にたくないと思った。
生きたいと思った。
でも生きることは死に向かってだんだん細くなっていく道を歩いていくことで、だからもう、道の広い間に落ちてしまう方が楽にも思った。その大義名分が欲しかった。
でも、生きたいと思った。彼は生きていた。長い人生を共にしてきた人を失っても。彼はすいかを切って私たちの前で笑ったのだ。それはとても素晴らしいことで、だから私も、と思った。じゃあ、彼はなぜまだ歩いて行けるだろうと思った。それは分からなかった。
その答えはここに載っているのかもしれない。今の私には分からなかった。だからそこは詳細に記して。
これはいつか、大人になる私への宿題である。青と赤と、色んな色が入りまじるこの時代に。生きることのために。
その答えがない限り、私は大人にはなれない。名目上、明日大人になる私へ。いつかの私へ。この答えを見つけるまでは、この夏が答えであるように。
生きろ、私。17の私より。
宿題 青海老ハルヤ @ebichiri99
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