異世界での熾烈なマネーゲーム。でもそれはこちら(現実)の世界でも――

油断すると、パックリ食われる……そんな商売の話は、異世界だからと思っていると、こちら(現実)もそうかもよ、ということを教えてくれる作品です。

――いわば本編である、異世界での切った張ったの商取引の話は、むろん手に汗握るストーリーですが、合間合間に、現実の世界の、ニュースとかでたまに聞く経済のお話が出て来て、それが「握った汗」を倍増してくれます。
こんなやり取りが、こっち(現実)でもあるんだ――と。
そしてそれこそが、この作品の妙味だと思います。

特に――初めて読んだ時、異世界の話なんだそうなんだと油断していると、現実世界もそうなんだよと示されて、「えっ」となる衝撃は、そうそう味わえるものではありません。
経済に疎い私なんかだと特に(笑)

ぜひ、ご一読を。

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