.
強制的に書き換えられた世界に、鳥達が驚いて狂ったように鳴いている。そんな中を勝手気ままに舞った宵闇色のドレスは、サラリと微かな音を立てながら埋葬地に崩れ落ちた。
「……また、振られてしまったわ」
少女は高すぎるヒールでカツリ、コツリと地面を叩きながらドレスに近付いた。膝を折ってドレスを手に取った少女は、ギュッとドレスを胸に抱きしめる。
「食べることをやめ、眠ることをやめ、息をすることさえやめても、……貴女は、書くことだけはやめられないのね」
ここは、絶望の箱庭。己の業に取り潰された人間達が堕ちる先。
最期の最後の、さらに先。
「それでも貴女は、それでいいと、笑うのね」
この箱庭の管理人である少女は、宵闇色のドレスを抱きしめたまま膝を上げた。
「……でも、いいわ。私は、ずっと待っているもの」
その空を眺めて、少女はそっと
「貴女が再び、
デルニエの箱庭 安崎依代@1/31『絶華』発売決定! @Iyo_Anzaki
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます