魅力あるキャラクターが織りなす現代ファンタジー

本作において、一番の魅力はキャラクターの個性と掛け合いかと思いました。

まだ未熟で、自身もそれを自覚しながらも強くなろうとする主人公・紗希。
盲目で助平で軽口を叩くが、巧みな練識功(アストラルフォース)の使い手であり、ぶきっちょな優しさも持ち合わせる髭のおっさん・ベルウッド。
紗希の元相棒で穏やかな性格をしているが、苛烈な戦い方をする軍曹・豪士。

他にも軍曹と長年共に過ごしてきたクールな局長や、個性的な和尚さんなど、魅力あるキャラクターたちが登場します。

『紅衣貌(ウェンナック)』と呼ばれる怪物の殲滅を目指す組織『アンブローズ』ですが、本作は単に戦闘に終始することなく、『アンブローズ』内での仲間の連帯や、紗希の戦士として、そして精神的な成長を描いています。

かといって戦闘シーンがおざなりというわけではなく、二転三転する緊張感溢れる展開や、リーダビリティの良い軽快な文章で読ませてきます。

10万文字以上ありますが、読ませる力のある作品のため、未読方は、是非一読をお勧めします。

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