現代の田舎で静かに勤めていた警察官・仁代星斗が、突如として終末を迎えた世界に投げ出される。家族を失い、孤独に苛まれながらも前に進む姿に、胸が締めつけられます。「神罰術式」という謎に覆われた世界で、星斗が希望を繋ぎ止めるために出会った光の玉──それは心を照らす一筋の救い。人間の尊厳とは、愛する者を守り抜くという不屈の意志の中にこそあるのかもしれません。
物語が描く崩壊と再生、絶望と希望の狭間に息づくのは、失われた日常を取り戻したいと願う切なる祈りです。星斗の旅路は、終わりなき闇の中で光を探す旅そのもの。果たして、星斗は新たな世界で愛する者と再び巡り会えるのか――。
「人は運命に抗えるのか、それとも受け入れることで新たな未来を築けるのか?」続きを読みたくなる深い問いを、あなたも一緒に抱えてみませんか。
1.5章を読み終えたばかりですが、素晴らしい作品なのでレビューさせていただきます。
あらすじにもある通り、世界中の人々が突如として樹木へと変化してしまい、獣たちは凶暴化・強化されて人に襲いかかるようになります。
警察官である星斗には妻と彼女がお腹に宿した命・亜依もいましたが、物語がはじまる前に、既に亡くなっています。
そんな彼が、人々が樹木になるという絶望的な状況の中で出会ったのは、謎の光の玉。優しく、どこか懐かしい気持ちにさせる光の玉。
星斗は謎の光の玉と行動を共にしながら、巨大化したイノシシと臨場感ある戦闘をしたり、他に生存者はいないか探し回ります。
誰かを失うことを恐れ、家族を失ったからこそ、大切に想える人や光の玉をも守ろうとする星斗は、勇敢にこの絶望へと立ち向かいます。
その感情の発露は熱い悲しみに満ちており、決して諦めない姿勢には涙が禁じ得ません。
そんな時、彼の体の奥底で何かが解放され、翠色の粒子によって特別な銃弾が作り出せるようになり、これによって戦う術を手に入れます。
星斗はそれを駆使して絶望的な状況にもあらがい、時には窮地を脱し、時には自身のふがいなさに悲観にくれます。
そして、一章の終盤に現れる謎の存在が原因で、ある再会を果たします。
それは、人の愛が起こした奇跡ともいえる再会。
決して絶望的な状況でも、自分のすべきことをする。そう誓った星斗は再会した彼女とどこへ向かうのか。
そして、この状況を打開することはできるのか。
一章の終盤で登場した彼らは何者なのか。
これは、愛と想いの助けを借りて絶望に抗う物語。