主人公・鞍馬紗希は、政府非公認組織「アンブローズ」に所属している。紗希たちは、練識功(アストラルフォース)という不思議な力を持ち、これを利用して紅衣貌(ウェンナック)と呼ばれる怪物を倒していた。
だがいつしか、紅衣貌を崇拝する集団「アポカリプス」とも対峙することになる。
とっても面白かったです!バトルものということで、疾走感溢れるシーンが見られます。頼もしい仲間も魅力的で、とにかくかっこいいです。
ルビも適度にふってあるため、読んでいてストレスフリーでした。同僚のベルウッドと紗希の絡みが面白く、見どころの一つです。
キツイ場面もあるのですが、紗希の語りが軽快でコメディ調なので、全体的に明るい気持ちで読み進められると思います。
敵もなかなか存在感があり、個人的には好きでした。怪物vs人間、人間vs人間。バトルファンタジーが読みたい人、集まれ!
本作において、一番の魅力はキャラクターの個性と掛け合いかと思いました。
まだ未熟で、自身もそれを自覚しながらも強くなろうとする主人公・紗希。
盲目で助平で軽口を叩くが、巧みな練識功(アストラルフォース)の使い手であり、ぶきっちょな優しさも持ち合わせる髭のおっさん・ベルウッド。
紗希の元相棒で穏やかな性格をしているが、苛烈な戦い方をする軍曹・豪士。
他にも軍曹と長年共に過ごしてきたクールな局長や、個性的な和尚さんなど、魅力あるキャラクターたちが登場します。
『紅衣貌(ウェンナック)』と呼ばれる怪物の殲滅を目指す組織『アンブローズ』ですが、本作は単に戦闘に終始することなく、『アンブローズ』内での仲間の連帯や、紗希の戦士として、そして精神的な成長を描いています。
かといって戦闘シーンがおざなりというわけではなく、二転三転する緊張感溢れる展開や、リーダビリティの良い軽快な文章で読ませてきます。
10万文字以上ありますが、読ませる力のある作品のため、未読方は、是非一読をお勧めします。
冒頭の激しいバトルシーンを見て、やめてしまってはもったいない!
盲目のドSベルウッドさん、くすんだ金髪に翡翠色の瞳のノエル先輩、渋く精悍な軍曹など、紗希のまわりには魅力的な男たちがいっぱい。(局長は大人美人)
バトルの合間に彼らとの軽妙な会話が繰り広げられ、タグにもあるようにコメディー風の面白さ。
もちろん、バトルシーンは凄い。アストラルフォースという不思議な力を使って敵と戦ったり、仲間たちと訓練するシーンがあるが、これがとてもわかりやすい。
他の小説では、戦闘シーンを読んでるとちんぷんかんぷんになるわたしなのに、まるでカンフー映画を見ているようで面白い。
題名とあらすじを読んで、「バトルは苦手」と敬遠している人にも、ぜひ読んで欲しい!
ただ今、第3章。息もつかせぬ展開が待っています!