第9話 伝説の二人の醜女
暫くして娘達がやって来た。昨日の娘以外の五人も醜女だった。
八等身で長い手足と細い体、それに金、赤、茶と黒の長い髪、目も大きく瞳が青、茶、黒で醜かった。
これでは村に居ても幸せには成れないとアリエ姫は思った。
「コジロウ殿、今回娘達が結婚する相手の写真は持って来ているのですか?」
「はい、持って来ています」
「ちょっと、私に見せて下さい」と六枚の写真を受け取り見た。
「今回は美男が多いですね、この三等身の殿方は少しクライス卿に似ています。では娘達に見せてあげなさい」
娘達は最初は恥ずかしそうに見ていたが、全員見終わる時には目を輝かせて行きますと答えたが、一人だけ母親が病気で世話をする為に行けないと答えた。
アリエ姫は親思いの娘に感心してこの村に残るように伝えた。
「コジロウ殿、別の娘でも良いですね?」
「はい、私は暫く滞在するので捜しますが? 実は伝説の美少女、あっ、いや醜女を捜しています」
「その醜女の特徴は分りますか?」
「はい、九等身で髪の毛がシルバー、又は白で瞳が紫か赤です」
「その話しだと二人いるようですが?」
「はい、二人いるとの噂です」
「白い髪の毛は豚毛ですか?」
「いえ! 違います」
「そうですね、豚毛なら美人ですからね」
「アリエ様、明日のシーラン様の舞踏会に私も出席して宜しいですか」
「良いですよ、シシイノ族も醜女が多いから見つかるかも知れません」
次の日、早々にハモンドが来て伝えた。
「アリエ様、シーラン様の一行が遅れて到着が今日の夕方近くになるそうです。本来ならアリエ様にお目通りしてから踊りを披露する予定でしたが、踊りの支度に時間が掛かりアリエ様を待たせる訳に行かないので、支度をしながら着いて先に踊りを披露してからお目通りしたいと早馬で使者が来ましたが」
「それで良いです。随分律儀な方ですね」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます