遺骨

戦地から届いたのは父の遺骨でした。泣き崩れる母を見ながら、私は黙って立っておりました。私は父が嫌いでした。叱られた記憶しかありません。涙が出るはずもありませんでした。私は母の目を盗んで遺骨を一本盗みました。父に良く懐いていた飼い犬に骨をやると、嬉しそうに齧っておりました。

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