恥ずかしいので観ないで下さい。

恐山にゃる

最後の手紙


『私の病気で、これ以上迷惑をかけられません。貴方と出逢った思い出の海で私は逝きます。』


まだ間に合うかも知れない。

俺は走った。

一心不乱に走った。


崖の上に妻。

妻の名を叫ぶ。

妻は俺に気付き、少し微笑んで、崖から身を投げた。俺は膝から崩れ落ち、涙が地面に溢れる。

汗塗れの俺の手から生命保険の申込書が滑り落ちた。

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