沈めども沈めども


不良と呼ばれていたその少女は、防災水槽の底に静かに横たわっている。

彼女はこの場所で黄昏れるのが好きだった。

帰らぬ娘を探しに、母親が来る。

水底で緑色に沈んでいる我が子を見て、青褪めた母親は、急いで電話を掛ける。

『もしもし。保険屋さん?あの娘の保険って事故死でも出ます?』

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