概要
かの乙女には、口がありませんでした
琴でその日その日を生きているわたくしの元に、ある晩、美しい乙女が現れました。
わたくしは、もう一度、かの乙女に出会いたいのです。
毎夜、わたくしの弾く琴の音を、黙って聴いておられた乙女。
……きっと、気に入ってくださっていたんじゃないでしょうか。
分かりませんが、きっと。きっと…。
毎夜お会いしていたのにわからないのか?
そうですね。お互いのことは、わたくしにも、乙女にも、確かめようがなかったのです。
なにしろ、わたくしは乙女を目に映すことができず、乙女にはお口がございませんでしたから。
……あの晩は、星の綺麗な良い夜でした。
願わくば、あの晩、星の弾けるあの晩に、告げられなかった言葉を伝えたいのです。
どうか、独り言に付き合ってくれませんか。
わたくしは、もう一度、かの乙女に出会いたいのです。
毎夜、わたくしの弾く琴の音を、黙って聴いておられた乙女。
……きっと、気に入ってくださっていたんじゃないでしょうか。
分かりませんが、きっと。きっと…。
毎夜お会いしていたのにわからないのか?
そうですね。お互いのことは、わたくしにも、乙女にも、確かめようがなかったのです。
なにしろ、わたくしは乙女を目に映すことができず、乙女にはお口がございませんでしたから。
……あの晩は、星の綺麗な良い夜でした。
願わくば、あの晩、星の弾けるあの晩に、告げられなかった言葉を伝えたいのです。
どうか、独り言に付き合ってくれませんか。
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