アップル・ヘイト９＿とあるヴィランの最初から最後までクソ人生

この物語は、藤（通称ナイン）のヴィラン人生を、2010年まで時代と共に書いた話である。日本人でありながら敵国であった米国に身を寄せ、アンダーグランドに入った彼の、極めて”普通”から見た、この馬鹿げた世界を今ここに語る。
　1948年＿終戦後の日本では流行病に対抗するためGHQの指導の元、大規模なワクチン接種が行われた。ワクチン接種時に不純物が入り込んだ同様の事故が全世界各地で発生、約2000名もの接種者達に何らかしらの障害が残る形となった。それが、後に”NH2010"と呼ばれるワクチン被害者たちであり、彼らは障害という名の能力を覚醒させる。この覚醒により、人類に進化の予兆が生まれ始めた。
　そして、ヒーローが誕生し、ヴィランも現れる。世は混乱に陥りながらも、相応にして時の流れを受け入れていく。