富山のおいしいお寿司と、人間模様

ずいぶん前に読み終わっていて、てっきりレビューを書いたと思っていたのに書いていませんでした。

 とにかくお寿司がおいしそうだし、傷ついて、ちょっと生きる目的を失ってしまった主人公が色々悩んだりぶつかったり、誤解したりしながら自分を取り戻していく話です。みんながとにかく優しい。人間関係に悩んでいる人には、寄り添ってなぐさめてくれるような小説です。青春要素もあるし、ほんのりとした恋愛要素もあるし、思わず「ご自分のことですか?」ってきいてしまったほどリアリティーにあふれています。
 おいしいものときれいな風景と、そこに生きる人たち。

 びっくりするほど大きな感情の動きも派手なアクションもないです。けど、ページをめくる手が止まらなくなります。これを読み終わってしばらくたつのですが、いまだに、「次に旅行するときは富山にしよう。お寿司食べよう」思ってしまうほどの印象を残してくれる小説です。

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