これぞ恋愛小説

まさにこれこそ恋愛小説。圧倒的な心理描写、リアリティある情動、普通に書籍でも可笑しくない程のクオリティ。ここまで心揺さぶられて最後まで読んだ恋愛小説は久しぶりです。苦い所もちゃんと描写されてるが上手いですね。登場キャラが少ないながらも物語に厚みがあるように感じました。学生の心の揺れや悩みなどもかなり上手いです。

ただ少し残念なのはヒロインの心理描写がかなり少ないせいで性格に難があるようにも読めるところですかね。主人公を通してヒロインを見ると主人公に対する対応がだいぶ酷いんですよね。勝手に不機嫌になるとことか。主人公を通して見てるのでどうしても主人公よりにはなるんですが、それでもね。主人公はヒロインの立場や気持ちを拙いなりにかなり気遣ってるんですよね。でもヒロインは仕事のことでそんなことには気づかない。その余裕がないからかもしれませんがそこら辺の描写がないから分からない。アイドルじゃなく、等身大の人間として見てくれる存在として大切さが分かってるのはヒロインよりもマネージャーの方かもしれませんね。続編があるならヒロインの心理描写ももっと増えるかもしれませんし、ヒロインがどう思ってたのか分かるかもしれません。とりあえず今のままだと主人公の心がズタズタになるのは確実なので続編があるならここからどうなるのか楽しみですね