物語の流れや話の作り込みはとても上手い。整合性もあり、変な矛盾点もなく読みやすい。
差し出がましいがいくつか残念な点もある。一つは背景の描写が薄いこと。戦闘がメインなので軍部が主体の話になるのは当然だが、国は別に軍だけで出来てる訳じゃない。官僚や君主、軍部ではない貴族なのどもいる。それが描写されてないのでどのような国かイメージがし難い所がある。王都なども外観や気質、建築物などもほぼ描写がないから分かり難い。二つ目は組織が腐るにしても腐り過ぎてるように感じる。ここまで国の防衛を司る軍が腐ってるとどうやって前回の戦争から国を保ってたのか分からないぐらい。2カ国間で戦争したら他の勢力がその間に茶々いれてくるのは普通にあると思うのだが。戦争後の疲弊した隙を突いてくるのも普通にある。
主人公の周り以外の情報がすくなすぎて世界観をイメージし難い所がある。
が、それを含めたとしても面白いと思える小説。これからの作品にも期待が持てるので読んでも全然損がなく楽しめる作品だと思う