EP.7
【あらすじ】
人を自らの手で殺害し、後悔の念を抱いたアヴァルティル。しかし、その心境は平然としたものであり、まるでバケモノへと陥ってしまった感覚。
もはや元には戻れぬと理解しながら、これ以上はだめ───────
皆の死に顔を見に行こう
思い浮かんだ。
そんな感情を漏らし、コツコツと歩き、邪教徒を殺しに行く。
無事に敵の元まで辿り着いたアヴァルティルは彼らの顔を見て……
「そんな顔をしてていい立場なの?」
そう言い放ち、敵の1人の頭を爆発させた。
────────────────────────────────────
「……あっはは!これだ!これだよ。あはははは!!!」
血がべったりと付いた顔を歪ませてカラカラと笑う。
いい気味だ。彼らは今恐怖で足が竦んでいる。
「君は……そうだなぁ」
自分でも気が付かないうちに足を氷漬けにして拘束していた中の1人に近付き……
「……
透明で神々しさすらも感じさせられるその
「元
無論、返事はない。
「ねぇ、返事してよ」
「……1人ずつ処刑しようと思ったけど……だれも反応してくれないしな〜、それに面倒くさくなっちゃった……」
全員一気に殺そうかなぁ。
「ねぇ。そこの……ボスかな」
「クソッ……壊れねぇ……!」
まるできいていない。耳付いてる?
「そこの氷に閉じ込められてる君、魔力に乗せて君に話しかけてるから……聞こえてるでしょ?」
「……ッ!な……なんだ……!」
威勢だけはよろしいようで。へっぴり腰だぞ〜ボスくん。
「嘘はつかないでね?君は部下が大事かな?」
殺気を出しながら質問をする。
真っ青になってるし、嘘は吐かないというより吐けないだろうね。
「……ガ……ァ……そん……なわけないだろう……?ただの……手駒だ……」
全員がピクリと動いた。
きゃ〜!さいてー!
まあでも、んなことだろうとはおもったよ。それにそうだよねぇ、周りの人達からしたら信頼していた上司から急に踏み台だって言われたようなもんだよねぇ。
しらんけど。
「ふ〜ん……ボク、今悩んでるんだよねぇ……そうだ、君の持ってるコインで表が出たら君だけを生かしてあげることにしよう。裏が出たら部下だけを生かす。いいね?」
少し殺気を弱めながら言ってみる。
「……わ……わかった……生きたきゃ表を出せって……そういう事だろ…………やってやるよ!!!」
予想通り、彼は自信ありげに懐からコインを出した。
でもしってるよ。
「じゃあ……いくぞ!!」
キィン!と、コインを爪で弾いた音が部屋に広がる。
最低だよね。だから私はキミに賭けを挑んだんだ。
「──────そのコイン、細工してるよね」
一瞬の緊張が流れ、コインが地面に落ち……
【表】
「……ッ……そんな…………そんな証拠はあるのかッ!?」
「今詰まった言葉が全ての証拠だよ。それに見たらわかるでしょ」
懐のコインを取り出す直前、コインになにか魔法をかけていた。
その証拠に、コインには彼の魔力が残っているのだ。
「……はぁ……ま、どちらにせよ表だね。イカサマしてはいけないというルールはないし……君は生かしてあげよう」
「文字通り、"生かして"……ね」
[side:邪教徒のボス]
「アッハハハハハハハハハ!!!!!!」
途端、鋭い痛みが身体中を走る。
数刻前まで動いていたその身体は動く気配が無い。関節に芯を入れられた感覚だ。
見えない何かにより、内側も外側も切り刻まれていく。
あまりにも惨い痛みを受けているのに、少し気を紛らわす程度の動きすらできる気がしない。動いたところで紛れる気は雀の涙ほどだろうが。
しかし、動けない理由は別にもある。
目の前で悪魔のような笑い方をした女だ。
あいつに、あいつの、あいつが……
【あいつはヤバい】
それがここに居る、たった1人を除いた全員の共通認識であった。
この世界に誕生し数十年。
多くの強者と戦って来たが、あんな力を持った者など見たことが無い。
それにあの声と容姿、容姿は伝承でしか聞いたことないが、特徴が我々の信仰する邪神に
……まさかな……。
[side:アヴァルティル]
「ねぇ、どう?生きれて嬉しい?」
御要望通り、生かして差し上げている。面倒くさいけど、彼はコイントスで【生きる】を"選択"した。
この惨状を予測できたなら死んだ方がマシだろうな〜。
「何……故……?私は……表……を……………だしたはず……」
「だから生かしてるんじゃん。だれも痛めつけないとは言ってないよ」
「……くっ……」
……そういえば、私の種族って何なんだろうね。
個人的には堕天使だと思ってるけど。
ってか、あれを聞くの忘れてたな。あぶないあぶない……。傷を冷やして麻痺させて……と……
「さて、本題に移ろうか」
「…………すこし痛みが引いて……?なぜ…………本題……?」
混乱してるねぇ。
「君たちの本拠地、教えてよ。答えなかったらまた拷問するからね」
これを聞かなかったらさすがにやばいよね。忘れかけてた張本人が言うのもなんだけどさ。
「それは契約により口止めされている」
契約……?だとしても話せはしそうだけどな。
「なに、契約程度なら無理やり話せたりしないの?」
「……は?いや……当たり前だろう……?特に、こういうかなりの機密な物は話そうとしたら死ぬような契約ばかりだぞ?そんなのも知らないのか?」
……常識だったっぽいし、全然煽られたな……???
「ん……?んじゃ、情報を吐かせる為の拷問官とか無いの?」
これは純粋に気になる。
「……ほんとに知らないのか……?こんなのガキでも知って…………いや、まあいい……存在はするな。最も、役に立った例は少ないようだが」
常識どころか多分毛が生えた喋れない赤子でも知ってるような本能に刻み付けられている情報かもしれない。
「ふ〜ん……」
「……はぁ」
今まで見下していた敵からため息を吐かれ、私はすこし心に痛みを負った。
[あとがき ]
は、あらすじなんてはじめて書いたので勝手がわからん……!
とりあえずギリギリ前回の話が分かりそうなくらいに留めましたが、大丈夫でしょうか……?
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