エピローグ

EP.0 Prologue

「……ふむ」


 ほとんど声になっていないような声だ。

 その声は麗しくも幼い、どちらかと言うと中性寄りの声をしている。


 その手には声に似つかわしくない【|暗さ《あんさ

》……殺害依頼書】を持っており、内容を見定めているようだ。


「……ま、これだけじゃ分からない……か……まずは情報収集かな」


 当たり前だが、依頼主が信用に値する人物かどうかもわからない。

 

 普通、暗さっあんさつ……殺害するだけであるならそんなことなど考えずただ相手を殺せばいいだけ……だが、彼女はそもそも暗殺者ではないのだ。

その真実はいわゆる死の執行人であり、善悪を見極め世のクズを殺す。


 断じて暗殺者ではない、氷を使い、重要な臓器を内側から的確に傷付ける。そして、死に至らしめる……その風貌と残虐性から【死天使】と呼ばれているし、過去には【氷の英雄】とも呼ばれていた事もあった。


 つまり!断じて暗殺者ではないのだ!!!!




「……んい〜!そろそろ行こうかな〜!」


 暗殺衣装に着替え、家を出る。

 その言葉からは想像つかないだろうが、今から暗殺する為に情報収集に出かける。



 ……あっいや暗殺じゃないし暗殺衣装じゃなく正装だ。




 ……コホン……ッ!

 気を取り直して……



 

 【これはそんな天使である『アヴァルティル』が異世界で気ままに生きるだけの物語】





[あとがき]

 すみませんすみません!!!『メリーさん』更新しなくてすみません!!!


 という訳で新シリーズです。

 メリーさんを書くのが辛くなってきたので、息抜きに書き始めてみたら思った以上に楽しくなっちゃって……。


 と、とりあえずですね!

 このお話はアヴァルちゃんがひたすらに生きるだけの物語です。

 その先に何があろうと、アヴァルちゃんは乗り越えていきます。




 それが人殺しの覚悟を、死天使バケモノに成り果てる覚悟をしなければならないとしても。






 (一部の方からするとかなり嫌な表現があるであろう話には【-G】を付けています。また、次の話にはあらすじを書いておくので-Gを読まなくてもある程度お話に着いていけるようにしております。)

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