やがて「妖精の女王」と呼ばれる、一人の少女の物語。

 妖精や鬼、悪魔などの人外が、日常的に人間と共存している並行世界を舞台に、一人の少女の成長と冒険を描く児童向けファンタジー。
 主人公の少女は、不登校児でありながら常に妖精と共にあった。並行世界で喫茶店のマスターをしている叔父に育てられ、いつも守ってくれる少年と共に、人外絡みの問題を解決している。
 そんな中、主人公は叔父にお遣いを頼まれる。その寺で妖精絡みの壺の件を解決してほしいとのことだ。難なくそのお遣いをこなしたものの、今度は桜に子供が誘拐されかけるという事件が起こる。しかしそれは、桜の精を利用し、企てられたものだった。問題解決のたびに、主人公と少年の仲は深まる。そして海に出かけた時に事件が起こり、人魚を助けるのだが、そこに主人公が以前かかわった鬼が登場し、主人公を「妖精の女王」と呼んだ。
 主人公と少年の過去にまつわる出来事が明かされる時、主人公に選択の時が訪れる。
 主人公を利用しようとする派閥からの使者との対峙。
 そして、平和に人と人外が共存している世界をひっくり返そうとする企み。
 果たして、主人公がつかみ取るべき未来とは?

 家族関係が切なくて、個性的な人外が面白くて、妖精の口が悪くて、ついつい、笑てしまう場面も多く、説明も分かりやすかったです。とても魅力的な人外や人間関係が展開され、とても楽しく拝読出来ました。

 是非、御一読下さい。

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